住吉神社の水盤舎(おみずや)・陶製扁額(へんがく)
所在地 中央区佃一ー一ー一四
住吉神社は江戸初期に、摂津国西成郡(大阪市)佃村の漁民が江戸に移住した後、正保三年(一六四六)に現在地に創建された佃島の鎮守です。
当社は、創建以来、佃島の鎮護のみならず、水運関係の人々から厚い信仰を受けてにぎわいました。
水盤舎は欅(けやき)材の切妻(きりづま)造、瓦葺きの建物です。明治二年(一八六九)に再建され、同四十四年に改築されました。水盤舎の欄間は、明治二年再建時のものを使ったと推定されています。欄間の正面には石川島の灯台と佃の渡し、側面には帆をはった回船や網をうつ小舟、背面には磯の景色、また内側にも潮干狩りなど、佃島の風景が彫られています。石造の水盤には「正保十二年(一八四一)白子組」と見え、木綿問屋組合が寄進したものです。
正面鳥居の上にある扁額は、珍しい陶製で、白地に呉須で額字や雲文を染付けています。明治十五年(一八八二)六月に制作され、額字の筆者は有栖川宮幟仁(たかひと)親王です。
水盤舎と陶製扁額は、共に中央区民有形文化財に登録されています。
平成九年三月
中央区教育委員会
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