於岩稲荷田宮神社



説 明 板

於岩(おいわ)稲荷田宮神社の鳥居・百度石
所在地 中央区新川二ー二十五ー十一
於岩稲荷田宮神社は、四代目鶴屋南北の戯曲で、文政八年(一八二五)に初演された「東海道四谷怪談」の主人公、お岩の伝承を持つ神社です。社地は歌舞伎俳優の初代市川左団次の所有地であったと伝えられ、花柳界や歌舞伎関係などの人々の参詣で賑わいました。
境内の本殿横にある石造の鳥居は明治三十年(一八九七)一月に造立されました。花崗岩製のこの鳥居は、中央区に現存する中では二番目に古い鳥居です。鳥居の形式は「神明鳥居」に属し、柱下部には断面が花形の根巻と四角い台座が付いています。
鳥居の奥にある百度石は民間信仰である「お百度参り」のための石塔です。中央区内に現存する百度石のうちでは最古のものです。左側面には「大阪浪花座興行記念 四代目市川左団次」と刻しており、市川左団次がお岩の上演を記念して奉納したものです。戦前・戦後を経て、現在もこの百度石でお百度参りを祈願する人も少なくなく、庶民の信仰とともに生きています。
鳥居・百度石は共に中央区民有形文化財に登録されています。
平成十一年三月
中央区教育委員会
 
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