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碑 文
鯨と海と人形町
作 松橋 博
中田浩嗣
あやつり人形のバネは今でも鯨ヒゲが使われています。
特に人形浄瑠璃から伝承された文楽人形の命とも言える精妙な首の動きは、弾力に富んだ鯨ヒゲでなければ出せないそうです。
ここ人形町一帯は寛永十年(一六三三)頃から、江戸歌舞伎の「市村座」「中村座」、人形浄瑠璃の糸あやつり人形結城座、手あやつり人形の薩摩座などの小屋が集り、江戸町民の芝居見物が盛んでした。
そして、それらの人形を作る人形師や雛人形、手遊物などを商う店がたくさん立ち並んでいたところから、昭和八年、正式に人形町という地名になりました。
(2002年7月) |
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