江戸の長屋の大家さんは……管理人だった!? |
今日、大家(おおや)さんと言えば賃貸住宅の所有者のことであるが、江戸時代のあの「大家と言えば親も同然
店子(たなこ)と言えば子も同然」の大家さんは地主から委託された雇い人だった。
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●行き届いた江戸の自治
江戸の町50万〜60万人(町人)を町奉行所はたった300〜350人で支配出来た。
そのわけは町年寄以下の町の自治組織が末端まで十分機能して補佐していたからと言われる。
・町年寄(まちどしより)
奈良屋 樽屋 喜多村の三家が世襲で務めた。
町人の中での最上位の存在。
収入は幕府よりの拝領地からの地代収入その他で
年間500〜600両もあった。
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・町名主(まちなぬし)
数町〜十数町に一名 専業で他に職は持てない
役料(やくりょう)=給金は町入用より出た。 |
・大家/家主(いえぬし)/家守(やもり)/差配(さはい)
大家が五人組を構成しその中から月交代で月行事(がちぎょうじ)
を選び町政に当たった。
*町触れ伝達 *人別帳調査 *火消人足の差配 *火の番と夜回り
*店子の身元調査と身元保証人の確定 *諸願いや家屋敷売買の書類への連印
*上下水道や井戸の修理、道路の修繕 *喧嘩・口論の仲裁
*店子が訴訟などで町奉行所へ出頭する際の付き添い
・自身番
各町に作りその広さは9尺2間と定められ、大家や書役 などが詰めた。
自身番屋あるいは番屋といった。
消防用の纏・ 提灯・鳶口 防犯上の突棒・刺又・袖搦み(がらみ)などを常備した。
屋根には半鐘のある火の見梯子を供えた。
幕末には千カ所を数えた。
・木戸番
各町の入り口に作られ、番太郎が住み込みで町木戸を管理し、夜警を務めた。
給金が少ないため片手間に蝋燭・鼻紙・わらじ・駄菓子、夏には金魚、冬には焼き芋などを売った。
町入用(ちょうにゅうよう)の内訳(町入用=町の経費)は地主の負担
自身番・木戸番などの維持管理費 |
幕府への上納金 |
町火消・防火施設に関する費用 |
橋・道路・上下水などの維持管理費 |
祭礼の費用・その他町政の運営に関する費用 |
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店子
店借り人(たながりにん)
(八つぁん、熊さんのこと)
店(たな)は二つ意味があり商店と借家、前者は例として大店(おおだな)表通りの大商店、後者は裏店(うらだな)裏通りの借家。 |
名主の職務
・御触の大家への伝達
・人別帳の調査
・訴訟の調停や上達
・土地・家屋の売買譲渡など証文の確認
・火の元の取締り
関所手形も名主が発行した。 |
書役(かきやく)
町入用の中から雇った事務担当のもの。 |
辻番(つじばん)
嘉永六年(1629)辻斬りが流行したので武家屋敷の辻々に大名・旗本が自警のために設けた番所。 |
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